このレポートは
僕が20歳まで童貞だった非モテから
マチアプで美女をゲットしまくる男になるまでの
『下克上エピソード』です。
<前回のあらすじ>
上司Oとの出会いで「格上の思考」と営業マインドに触れた俺は、結果が出なくても礼儀・質問力・抽象思考を叩き込まれ、人間として急成長した。
お金がない中で服装・歩き方・会話・自撮り・マチアプ検証を狂ったように実践し、地方で数と経験を積み重ねる。
失敗や痛みを何度も味わいながらも、逃げずに挑戦すれば結果は出るという確信を手に入れ、より可愛い美女を口説くための次の舞台を東京と決め、ゴリゴリの投資用不動産営業の世界に飛び込んでいく。
【前回までの記事↓】
1,俺の人生終わってんだけどwwww落ちこぼれからの成り上がり サムハラ転生Ver1
2,非モテ陰キャがサムハラがあこがれの大学生になった結果www…….地獄落ち>>>~落ちこぼれからの成り上がりサムハラ転生Ver2
3,え、人生初彼女と1週間で別れたんだがwwwなんか質問ある? 落ちこぼれからの成り上がり~サムハラ転生Ver3
4,サムハラが女の子に存在を否定された瞬間~落ちこぼれからの成り上がりサムハラ転生Ver4
5,頭のおかしい会社に洗脳されたサムハラの行方…..~落ちこぼれからの成り上がりサムハラ転生Ver5
6,営業で学んだ知識を使ったら恋愛戦闘力が1000を超えた話~落ちこぼれからの成り上がりサムハラ転生Ver6
地獄の1丁目へようこそ
「おいサムハラ!
今日の深夜2時に女連れて行くから
バー開けて待っとけ!!」
その男は、金と赤のオーラを纏っていた。
ラグビーで鍛えられた鋼の筋肉
投資用不動産特有の単発ヘア
目の奥に狂気を宿した鋭い眼光
場の空気を支配する豪快な大声
身長は165センチとそこまで高くはないが、
人を惹きつけるパワーがそこにはあった。
俺が就職した投資用不動産の社長
彼の会社との出会いが俺の人生を大きく変えるのだが、
非モテ陰キャでコミュ障の俺にとって
この日々は精神的虐待の連続だった。
株式会社パワハラ不動産の中で
必死に生き抜く俺の話をする前に、
サムハラがなぜこの会社に入ったか話そう。
大学生活での修行により
世間一般的な普通の女の子と付き合えるようになった俺だが、
自分自身の能力に限界を感じていた。
「昔に比べたら女の子には困らなくなったけど
俺はもっとかわいい子とにゃんにゃんしたいんだよなぁ~」

つい、心の本音が漏れる。
普通(非モテ)の女の子とは、
付き合ったりセックスできるようになってきたが、
ぶっちゃけブサイクなことに変わりはない。
それを補えるような要素があるはずだが、
それがわからないから
美女を口説くための“何か”が足りていない。
それは外見でも、会話でも、努力量でもない。
もっと根っこの部分
“男らしさ”みたいなものが決定的に欠けている。
そう薄々感じながらも、
自分の何をどう改善すればいいのかまったく分からなかった。
普通に生きていくぶんには問題はない。
普通の彼女くらいなら、もう作れるようになった。
でもSNSでキラキラした世界を見ていると、
同年代の男たちが当然のように美女と付き合い、
当たり前のように“選ぶ側”に立っている。

自分がまだそこに行けていないのは、
明らかに何かが足りていない証拠だ。
ただ、その“足りない何か”が分からない。
外見を整えても、会話を磨いても、
心の奥にある「自分の自信のなさ」だけは誤魔化せなかった。
日々モヤモヤした葛藤が続き、
「このままじゃ伸びない」と焦燥だけが募る。
そんなある日、
たまたま参加した企業説明会で――
俺は“衝撃”を受ける会社に出会った。
東京でも1位、2位を争う投資用不動産会社。
社長、常務、営業部長。
どの人間も、柔らかさの中に圧倒的なパワーと情熱をまとっていて、
同じ空気にいるだけで背筋が伸びるような存在だった。
さらに驚いたのは、社員全員の顔つきだった。
全員がイキイキしていて、
エネルギーが飽和していて、
“生きている”という感じが全身から溢れていた。
初めて東京に来たときに乗った山手線で見た、
汗・ワキガ・アルコールが混じった濁った空気、
死んだ目をしたサラリーマンたちとは、まるで別世界だった。
ここには理想の男たちの姿があった。

「俺もこうなりたい。」
胸の奥で、強くそう思った。
昔の俺なら、
「圧が強くてなんか怖いなあ。
ブラックそうだし一緒の働くの絶対無理」
と感じて距離を置いていたはずだ。
ただこの時の俺は違った。
光回線の営業という苦行を経て
自分の思考回路が
大きく変化していたのだ。
「怖いから逃げるんじゃない。
怖いということは、
自分が避けてきた領域のはず。
それならそこに向き合えば
俺もっと強くなれるんじゃね?」
そして俺は、
当時大分に住んでいたにもかかわらず、
その会社の説明会や懇親会のたびに、
毎回飛行機で東京へ向かった。
「ここに飛び込めば、自分は変われる。」
そう確信していた。
親にも
あんたその会社大丈夫なの?
もっと大手の企業に入って、安定した道を歩みなさい
東京なんて行かずに、九州で仕事しなさい
と言われたが、
その制止を振り切ってまで
その会社に入るために必死になった。
1ヶ月のインターンがあった時は、
泊まる金を節約するために
出会い系を使って
八王子の女の家に居候をしていたほどだ。
この話もだいぶ脳みそぶっ飛んでると言われるが、
機会があればしようと思う。
そのひた向きな姿勢が、功を奏したのか僕は、
その会社の内定を勝ち取ることになる。
ただ、その喜びに浸っていたのも束の間
俺は、死にたくなるような現実を突きつけられることになる。
1億を稼ぐ男の秘密の思考
「お前このままじゃ人に嫌われるよ?」
その一言で、喉の奥がきゅっと塞がった。
手のひらにじわりと汗が滲み、心臓が胸の奥で暴れる。
頭の中では言い訳が渦を巻くのに、口は動かない。
常務の視線が突き刺さるたび、呼吸のリズムが狂っていく。
「ああ、これはやばい
本気で怒らせた。」
仕事ができない俺に対して、
常務からの鋭い一言が飛んでくる。
なぜ俺がこうなったかと言うと、
俺が、「完璧人間」であろうとしたことが原因だった。
社会人1年目なんて、
仕事を覚えるのに必死で仕事ができなくて当たり前。
そう思う人は多いだろう。
俺も客観的な視点だと当たり前のようにそう思う。
ただ、この時の俺は完全にその視点が抜け落ちた、
イキリ新卒だった。
実は、これも中学生の時に受けたいじめの影響で、
コミュニケーションに恐怖心があったことが原因だったのだが、、、
~~~~~~~~~~
そもそも、会社に入って間もない人間は
会社の仕事を覚えるところから始まる。
ーー新人が会社で取るべき選択は2つーー
・仕事はできなくてもいいから、上司と仲良くなり、
「お前は仕事できないけど、かわいいからしょうがないな」
と思われて、許される側の人間に回ること。
・仕事ができないなりにも、自分のアウトプットを持っていき、
コミニュケーションをとって、自分と上司の思考のズレを認識し
自分が上司の思考への近づき方を日々考えて努力すること。
だが、俺はダメな方の完璧主義者だった。
おまけに、隠キャで、
人とのコミュニケーションが苦手。
いじめの時の記憶がフラッシュバックし、
相手の心の中に踏み込めないと言うトラウマを抱えていた。

そんな俺は、
自分から積極的に自己開示をするわけでもなく
飲みに誘うわけでもない。
仕事を伝えられても、
「分りました」
と、一丁前に返事をし、
その仕事に対する造形を深めるための質問を
先輩に対して全くしていなかった。
当然、そんな人間が仕事のやり方がわかるわけがない。
にも関わらず、
質問=人の時間を奪う。
これは悪だ!
と思い込み
仕事は自分でなんとかするしかないと思っていた。
わからないことがあっても、
「自分なんかが上司に質問をしたら
時間を奪ってしまって迷惑なんじゃないか?」
と言う圧倒的勘違いの元、
自分1人で何とかしようとし
無駄に時間だけが過ぎる。
上司から
「あれどうなってる?」
と聞かれて、
「実はまだ3割しか終わってなくて…」
と言う始末。
当然、上司からは「お前が仕事が遅い」と指摘され、
どんどん会社のお荷物扱いになっていっていた。
今振り返っても、
自分のひどさを恥じるばかりである。
~~~~~~~~~~
「不満そうだね?意味わかる?」
上司からの声にハッと我に帰る。
知らず知らずのうちに、
不快感が顔に出ていたようだ。
「今日の商談もそうだったが、
君は営業をわかっていないにもかかわらず
それを隠して自分で何とかする癖があるよね?
そういうところを散々直せと注意してきたはずだよ。」
上司から矢のように鋭い言葉が飛んできて
俺の心にさらに突き刺さる。
もはやオーバーキル。

上司は深いため息をつき、
少しだけ椅子の背にもたれかかった。
その目には、呆れと同時に
「まだわかっていないのか」
という苛立ちが浮かんでいた。
短い沈黙が落ちる。
その沈黙に耐えきれない俺を見たかのように、
上司が静かに口を開いた。
「……君は、そもそも営業で一番大事なことが
何かわかっていないようだ。」
声のトーンがさっきまでと違う。
怒鳴り声でも、呆れでもなく、
“教える側の、本気の声”だった。
俺は思わず顔を上げた。
「どういうことですか?」
「営業の本質は“人を見抜くこと”だ。
君はそこが徹底的に欠けている。」
ここで上司は姿勢を正し、
まるで授業を始める教師のような真剣な表情をした。
「今日の君のセールストークと相手の発言を覚えているだろうか?
相手はなぜ不動産に興味があると言っていた?」
「同期の友人が急に亡くなり、
その家族が困窮しているのを見て、
自分が同じ状態になったとき、
家族に保証を残したいと思ったからです。」
「そうだ。そこに対して
お前はどういう説明をした?」
「はい。習った通りに、
利回りやメリット等について話しました。」
上司の表情が一瞬で変わった。
「だからお前は“人”が見えてないんだよ。」
その声には、怒りよりも“呆れ”が混じっていた。
「彼が求めてるのは、
不安の解消と安心の担保だろ?
それに対してお前が提示してたのは、
数字とメリットの話。
しかも会話を無視して、
自分の伝えたいことだけを
一方的に押しつけていた。
そりゃ相手は、お前の話なんて
聞く気にならないよな?」
上司は机に手を置き、
言葉を区切りながら続けた。
「いいか、セールスするってのは
相手の言葉を信じることじゃない。
相手の表面の情報を疑い、
会話の裏にある意図を掴み、
欲望を増大させ、
都合の良い事実を信じ込ませ、
行動しない理由を一つずつ潰すこと。
──これが営業だ。
これができて
初めて一人前だ。
俺の言いたいこと、わかったか?」
頭の中で、上司の言葉が、
脳に強烈に浸透しチリチリと音を立てる。
その瞬間、今まで掴みきれなかった“何か”がカチリとハマった気がした。

「あ、確かに……人って同じ考え方じゃないよな?」
思考が一気に動き出す。
言うことや行動は、人の思考パターンによって変わる。
ということは、こちらもそのプロセスに合わせて
伝え方を変えるべきなんじゃないか?
つまり──
人間の脳の思考パターンの種類、
その特性が過剰反応する“理想のイメージ”や“言葉”、
それらを体系的に理解して、
頭の中で白紙のキャンバスにストーリーを描く力が必要だ。
「と、いうことは、、、、」
思考が暴走する。
うわ……無理だ。こんなの、脳がパンクする……。
全部の情報をそもそも取得したり、
勉強して頭に入れるまでに最低でも1年間はかかるだろう。
タイパもコスパも絶対に悪いし、めちゃくちゃめんどくさい。
そもそも心理学とか勉強しないといけないし…
コミュニケーションすら苦手なのに、
人の心を動かすとかどうすればいいかわかんないし…
自分の中で知識と行動の実例が少ないから、
そこをうまくつなげて、実践するのも難しいだろう。
そもそも、
こういう性格の人間がこういう行動をとると言う情報が全くないから、
そこも勉強しないといけないが、
そういった行動心理学に基づく知識の本を1から読み漁ってまとめるのも面倒だ。
とこの話を聞いて思った自分がいた。
「ハハハッ、めんどくさそうな顔をしているな。
俺も最初聞いたときはそう思った。」
「だが、営業をやるうえでは必須のスキルだし
俺自身この能力があったからここまで年収を上げれて
人に囲まれる生活をしている。
「……お前は昔の俺と似てるんだ。
まあ腐らずにやってみろ。」
その言葉がやけに胸に残った。
上司の背中には、これまで積み上げてきた“説得力”が滲んでいた。
単なる努力論でも根性論でもない。
本気で人と向き合ってきた人間の“重み”があった。
俺は黙ったまま天井を見上げた。
正直、怖かった。
「人を見抜く」なんて、自分には縁遠い領域だと思っていたから。
でも、同時に――
もしその力を手に入れられたら、どんな景色が見えるんだろう。
どんな人間にも通用する“言葉の刃”を操れるようになったら、どんな快感だろう。
心の奥で、何かが小さく動き出した。
相手の感情・表情・空気感などからなる情報統合思念を、
人間の言語でプログラミングのように位置から順序立てて思考プロセスを組み上げ、
非言語を言語化するという――
ある一部の能力に特化した者だけが与えられるギフトを、
客観的に構造分解して、一般人の俺でも再現できれば……
めちゃくちゃ気持ちいいだろうな。
そして、何より美しい。
「できっこない」
と思いつつも
「できたらめちゃめちゃ営業成績上がるだろうな」
と未来を想像してワクワクする自分がいた。
この時点でもうどちらを選ぶか結論は決まっている。
こういう心の戦争の勝敗は、
シンプルに心に従うのが俺の趣向。
その軸は、どっちがワクワクするか?
ただそれだけ。
目の前に山と谷があったら、
絶対に俺は山のほうに進む
自分を成長させる!
と本気で決意した時から
悩んだ時にどう行動するかを
俺は強制的に決めている。
人ができることに価値は無い。
人ができないことの掛け合わせこそが希少性を高めていく。

だから、特別になりたいのであれば、
特別な人のための努力をしないといけない。
こういった考え方に基づき、俺
は営業でトップを取るためにこの考え方を勉強することを決めた。
で、ある日、ふと
あれ、この考え方ってぶっちゃけ、恋愛にも使えるんじゃね?
そもそもコミュニケーションって具体化すると、
営業とか恋愛とか友人関係の構築と本質は同じ。
ということは、
ここで学んだ抽象概念を自分の中に取り込むと、
一気に見える世界と応用できる世界が広がるんじゃね?
と言う結論にいたり、
この能力を恋愛ベースで最低義し解釈をし直し、
今特別なコンサル生にのみ伝授している。
正直な話、この能力を養うために、3年と400万円を費やした。
だが、この能力で、俺は5000万円を稼いだ。
なんと、お金と言う側面だけでも、10倍のリターン。
さらに、モデルやキャバ嬢、インスタグラマー、グラドルなどを口説き
女の子の家を転々とする生活をし、
家賃なんて全く払っていない完全ノマド生活を実現している。
それぐらい強力なテクニックであり
人間が絶対身につけるべきセンスだと確信している。
伝えるのに言葉なんて必要ない。ハートさえあればいいのさ。
「んー、全然響かないな。やり直し!
このテストに合格してないのは、君だけだから頑張ってね。」
会議室で1人残された俺は絶望していた。
俺がいたこの会社では、
一人前の営業として認めてもらうために、
自分がこの会社を志望した理由と言う題目で、
10分間のエピソードトーク披露会を行う。
それに合格しなければ営業として外に出ることが許されていなかったのだが、、、
俺はその試験に1ヵ月落ち続けていた。
同期の仲間たちは全員受かり、
後は俺だけと言う状況。
同期の子達は、
既に新しいお客さんを獲得したり、
毎日営業に精を出している。
その中で、僕だけが取り残されていると言う事実…
焦りと情けなさが胸の奥で渦を巻き、
呼吸が浅くなる。
もう俺だけだという現実が、
胃の底に鉛みたいに沈んでいた。
他の5人は合格してるのに、
なんで俺だけこのテストに合格できないんだろう…
やっぱり自分には営業の才能なんてないんじゃないか?
人を感動させるなんて無理なんじゃないか?

そんなどんよりした気持ちが、
俺の心に渦巻いていた。
人との会話から逃げてきた俺にとって、
普通に会話するだけでも大変なのに、
さらにその上のレベルを求められるこの環境。
自分がやってこなかった課題と向き合うと言う目的で入ったこの会社だが、
早くも心が折れそうになっていた。
そもそも人を感動させるってどういうことだ?
人が感動するためには、どういった要素が重要なんだ?
これだけを考え、エピソードトークを作り、
自分の辛い過去と照らし合わせながら原案を何十枚と作ってきた。
だが、それが全く人から評価されない。
自分だけがこの会社に必要とされていないんじゃないか?
と心の中で思う位俺は疲弊していた。
今日も居残りだな…

それを覚悟しながら、
目の前の紙に必死に向き合っていると
「サムハラ君、今日も熱心だね。お疲れ様。」
そんな明るい声が後ろから聞こえてきた。
驚いて振り返ると
そこには俺の会社のエース
K常務が立っていた。
俺がこの会社に入るきっかけの1人であり、
サラリーマンでありながら年に10億円という売り上げを叩き出す、
化け物じみた営業部のエースだ。
「お疲れ様です!」
と慌てて立ち上がる俺に、
K常務はニコッと笑いながら言った。
「ちょっといい?少し話そうか。」
そのまま隣の応接室に呼ばれた。
~~~~~~~~
緊張で喉がカラカラになりながらも、
「すみません、なかなか受からなくて……」
と話すと、
K常務は静かにうなずいてこう言った。
「君の話、悪くないんだよ。
でもな、“伝わってこない”んだよ。」
その言葉が、心臓をグサッと刺した。
K常務は続けた。
「営業もプレゼンも同じ。
人の心を動かすのは“言葉”じゃなく、“熱”だ。
言葉を覚えて喋ることに必死になってるけど、
君自身がその言葉にどんな感情を乗せてるかが一番大事なんだよ。
それで言うと、君はあまり感情が動かない
淡々としたタイプのようだから、
正直言葉に熱が乗りづらいタイプ。
自分では一生懸命話してるかもしれないけど、
思った以上に人が聞いたときに、
淡々と話しているように聞こえてしまう。
だから、通常の1.5倍位の感覚で、
自分の言葉に感情を載せるようにするといいかもしれないね。」
そう言いながら、K常務は俺の隣に立ち、
「たとえば、同じ“ありがとう”でも——」
と言って、まずは無表情・無感情で淡々と言った。
「ありがとう。」
次に、笑顔で目を見て、ゆっくりトーンを下げて言った。
「ありがとう!!」
たったそれだけで、同じ言葉のはずなのに、
言葉がまとう“空気”がまるで別物になった。
「ほら、言葉は同じでも、全然違うだろ?
人を動かすのは“言葉の選び方”じゃなくて、伝え方”なんだ。」
その瞬間、胸を殴られたような衝撃が走った。
俺はずっと、努力のベクトルを間違えていたのだ。
文章を直すこと、構成を変えることばかり考えていた俺は、
一番大事な“熱”を置き去りにしていたんだ。
この感覚が開いた瞬間、ようやくわかった。
なぜ、学生時代のいじめられていた頃の
俺のコミュニケーションはうまくいかなかったのか?
熱の乗らない言葉を使った
コミュニケーションをとっていたからだ。
もちろん、「ありがとう」「うれしい」「楽しい」「悲しい」
そんな言葉は使っていた。
でも、そこに――
本当の意味で伝えたい感情がまるで乗っていなかった。
例えるなら、空港や駅でよく流れる
「ご利用ありがとうございます」

という、1ミリも感情のない録音テープのような
言葉を吐く乗務員。
あれを聞くたびに
「お前は本当にありがとうと思ってるのかよ?」
と心の中でツッコんでいたが、
あの無機質なトーンこそ、
当時の自分の声だった。
感情のこもっていない言葉なんて、
どれだけ正しくても、人の心は動かせない。
だからこそ、人は
愛嬌や空気を読む力、
相手の感情を察する力
を巧みに駆使して
目の前の人間とコミュニケーションをとる。
これを正しく使えばいいだけだったんだ…と言う気づきは、
俺のコミュニケーション能力をグンと引き上げた。
そこから、
先輩に教えていただいた情報をもとに、
独自のサムハラ愛嬌改善プログラムを組み
それを実践したところ、
試験には一発合格。
そしてなんと3ヶ月後には
「サムハラ君さ、前は真顔でちょっと怖かったけど、
明るくなって話しやすくなったね。」
と言われるようになった。
仕事で得た学びを抽象化し、
恋愛に転用する。
恋愛で得た気づきを抽象化し、
仕事に還元する。
この抽象⇄具体の往復によって、
俺のモテの知見は急激に深まっていった。
恋愛テクニックではなく、
土台となる“人間基礎力が身についていく感覚。
さらに、界隈にいない“本物の遊び人”たちと関わることで、
その世界の空気感や立ち振る舞いを肌で理解できた。
彼らと一緒に過ごしていると、
「この動きはキモい」
「この言い方は安い」
といった“女から見た違和感”を、
客観的に認識できるようになったのも大きかった。

つまり、恋愛以外のすべての経験から
恋愛に通ずるエッセンスを抜き出し、
積極的に取り入れていく。
これを繰り返すうちに、
自分の中に明らかな変化が生まれていた。
俺が大切にしている言葉に 「万象皆師」 というものがある。
すべての出来事が学びであり、
どんな人でも俺の師になる。
具体思考と抽象思考を自在に切り替えながら、
営業⇄恋愛という抽象概念を再定義していくことで、
習得スピードが驚くほど早くなった。
そして気づいた。
美女攻略は、そもそも狭き門だ。
金持ちなら金を使えば出会える。
でも金に頼った出会いは、
結局“資産も魅力も残らない男”で終わる。
だからこそ、
最低限のお金で、オスとしての魅力そのもので勝負できる男になる。
そのために投資すべきは“自己”しかないのだ。
改めて過去を振り返ると
色々とバグってる会社だったと思う。
・オールで飲み→ボーリング→シュミレーションゴルフ→コリドー街でナンパ
・サーフィン→BBQ→カラオケで打ち上げ
・所有物件の屋上で隅田川の花火大会鑑賞→浅草飲み→ベロベロな状態で出社
・上司とクラブに行って、捕まえた女の子から逃げられて失笑される
・銀座のホコ天をジャックしてお客様のサプライズプロポーズ大作戦を企画
・お客様の夜逃げの手伝い
・プロサッカー選手を招いてのフットサル大会
・クラブを貸し切って200人ぐらい人を読んで社長の誕生日パーティー
・クルージングパーティーでシャンパンを頭から浴びて海に飛び込む
・ゴルフ場を貸し切って、とんねるずのスポーツ王のセットを再現し、ゴルフボールキャッチで池に飛び込む→ホールインワンが出るまでコカボムのショットを飲む無限地獄ホールインワン大会
など、普通の世界では考えられないような
体験をさせてもらえて、
価値観が大きく広がった。
そういった意味で
めちゃめちゃこの会社には感謝している。
自分1人では出来ないことをやる環境に飛び込み、
瞬間的な嫌だなぁという感情に耐えながらもその場を楽しむことで、
自分の人生を高めていく。
何事も、自分の基準を高めるためには
「嫌だな」を超える必要があるが、
それを積み重ねることで自分の基準が上がって、
普通が非日常になる世界線を体験することができた。
だからあなたも成長したいなら、
漠然と嫌だなぁと思う事に挑戦する事。
その先に
自分がこれまで入ることが許されなかった、
欲望の世界線が待っている。

と、このような気づきをもらいながら
「もっと自分磨きして、
ガンガン経験人数増やしたるわ!!」
と本気で思い、マッチングアプリに呑めりこんだ。
全ては
♢理想の女性と付き合うため
♢理想の女性を口説き落とすため
♢承認欲求を満たし、自信をつけるため
この3つだけだった。
当時の俺は、
負の感情をガソリンにして動いていた。
「とにかく経験人数を増やしたい」
「どうやったら可愛い子と遊べる?」
起きてから寝るまで、頭の中はそればかり。

タップル、Tinder、ペアーズ。
ストナンは無理だったから、
アプリに全振りして、とにかく数を打った。
これも全部、
“もっと可愛い子を抱くため”。
周りから見れば
「上京理由それだけ?」と笑われるだろうが、
当時の俺には、これが人生の全部だった。
ここで妥協したら、もう幸せになれない。
そう思い込んでいた。
上京後は、時間さえあればアポを入れ、
平日夜も休日もデートを重ねた。
週2〜3人と会って、
3ヶ月後には“普通の女の子”なら
勝率2割の女の子は口説けるようになってきた。
しかし、
「可愛い!こういう子と付き合いたい!」
と思うレベルの子とはマッチしない。
たまのラッキーマッチでも
メッセージが続かず、会えない。
それでも俺は諦めなかった。
情報商材に5万円投資し、
プロフィール、写真、ファッション、
初回デートの動きまで学んだことで
可愛い子ともマッチするようになり、
抱ける人数も徐々に増えた。
だが――
マッチできても、口説けるとは限らない。
「スザク君って男らしくないよね」
「優しいけど、恋愛は別かな」
「真面目って感じww」

この“男として見られていない”という事実が、
容赦なく突き刺さる。
でも、立ち止まれなかった。
ここで折れたら、
あのイケイケカップルにバカにされた記憶が
一生こびりつく。
その言葉を思い出すたび、
胸の奥がぎゅっと締め付けられて、
自分が嫌いになる。
そんな人生は絶対に嫌だった。
だから俺は、諦めなかった。
そしてある時、
【ナンパ界隈に出会う】
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